山越(製麺所)
 今日は朝からやられっぱなしだ。「なかむら」「山越」「谷川米穀店」。どのお店も本当にうまい。さぬきうどんの名店と言われるお店達の実力に直に触れ、その凄さに改めて恐れ入った。
 さて谷川米穀店を後にした一行だが、部長の抜け道のおかげで予定より随分早いペースで進んでいた。そのまま次の「赤坂製麺所」まで行ってしまってもよかったのだが、その途中にあのお店の近くを通るではないか。
 ・・・そう、香川の至宝「山越」である。これを見逃す手はない。我々はさっきここで食べたばかりだというのに、再び山越の前に立っていたのだった。我ながら、あきれるほどアホやなあ。

 

 平日とはいえ正午近い時間のためか、先ほどとは違って今度は15人ほどが並んでいた。しかし列はスイスイ進んでほどなくカウンターにたどり着く。今度は冷たいうどん(小)と、卵の天麩羅(どちらも90円)を注文。


「山越」の冷たいの、卵天

 今度もニマニマ顔でうどんをほおばる。
 ・・・うまい。やっぱり、山越はうまい。ここのうどんはさか枝山下ほど粉の香りが広がる訳ではない。しかし、食感は他の追随を許さない。
 ツル、ムチ、ゴチ。おおざっぱに言うとこんな感じなのである。うどんの表面はピカピカで「ツルツル」。口の中で踊りまくる。踊るうどんを歯でとらえると、表面はムニムニではなく、あくまで力強い弾力。これが「ムチ」。そしてさらに歯に力をこめると、「ゴチッ」とうどんの芯のような部分にぶちあたる。さらにこれをそのまま歯で押し切ると、口の中で2つに別れたうどんはまるで生きているかのように暴れ、口腔内を刺激するのだ。
 芸術ですよ、これは。これほどまでに、食感だけで人を満足させてくれる食べ物が他にあるだろうか? いつまでも食っていたいと思うくらい、感動的なうどんでした。


 2度も食べておきながら、僕はなお後ろ髪引かれる思いで山越を後にしたのでした。




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